難しいスキルは必要ない
クリニックで働くにあたって、新たなスキルを磨く必要はほとんどありません。病院勤務の経験があれば問題ないでしょう。過去に実務経験のある潜在看護師の復職先としても人気があります。具体的には、採血、注射、心電図測定のスキルが必要です。ただし、即戦力が求められるので新卒の看護師が就職するのは難しいかもしれません。病院のような教育制度が整っていない職場の場合、細かい指導を受けられません。
コミュニケーションスキルが必要
患者と円滑なコミュニケーションを行える看護師はクリニックに向いています。病院でもコミュニケーションスキルは必要ですが、クリニックではより重要です。スタッフの対応がクリニックの評判に直結するため、個人経営が多いクリニックではコミュニケーションスキルが重視されます。患者とのコミュニケーションにおいて意識すべきなのが、「待ち時間への対応」です。外来では診察までの待ち時間に不満を持っている人が多いというデータがあります。
予約制による診察や順番が近いことを知らせるシステムの導入も効果的ですが、最も印象を左右するのはスタッフの対応です。待合室の対応を事務員に任せ、診察室にこもるのはよくありません。定期的に待合室に行き、患者の様子を観察しましょう。苛立っている人や具合が悪そうな人がいたら声をかけ、話を伺います。なかなか自分の順番が来なくて苛立っている人には、「あと~人で順番が来ますので、もう少々お待ちいただけますでしょうか」などと声をかけましょう。
また、生活習慣病クリニックは1日に多くの患者が訪れるので、観察力も求められます。患者の状態はそれぞれで異なるため、場面に応じて素早く判断する力が必要です。
スタッフ間のコミュニケーションも重要
患者とのコミュニケーションと同様に、スタッフ同士のコミュニケーションも重要です。クリニックは病院よりも規模が小さいので、人間関係が悪くなると業務に大きな支障が出ます。数人で業務を回しているクリニックの場合、1人でも仲の悪いスタッフがいると働きにくくなってしまいます。人間関係の悪化が原因で業務がスムーズに行えなくなると、結果的に患者に迷惑がかかります。患者の健康を第一に考えて業務を遂行するのが看護師に求められる役割です。この点を忘れずに、円滑なコミュニケーションを行えるようにしておきましょう。