子どもでも発病するリスクがある
生活習慣病は成人がかかる病気のイメージが強いですが、実は子どもでも発病するリスクがあります。不規則な生活を送っていると、成人と同様に生活習慣病になります。
子どもの生活習慣病
メタボリックシンドロームの予防は子どもの時から必要です。近年は小児肥満が深刻化しており、問題視されています。小児期メタボリックシンドロームの診断基準が新たに設けられ、早期発見・予防の取り組みが行われるようになりました。小児肥満の子どもがそのまま成人肥満に移行する確率は70%以上です。小児肥満は成人の肥満と同じく「高脂血症」「高血圧」「糖尿病」などの生活習慣病を合併するリスクがあります。
子どもの生活習慣病の原因は、主に食生活と睡眠リズムです。そのため、生活習慣の改善が強く求められています。朝食を抜き、就寝時間が遅くなると小児期メタボリックシンドロームを発症する確率が高くなります。また、スナック菓子などの脂質や塩分を多く含む間食もよくありません。加えて、外に出て遊ぶ習慣が薄れ、部屋の中でゲームをする子どもが多くなったことから、肥満になる子どもが増えています。それ以外では、受験によるストレスも要因の1つとして考えられます。
文部科学省の調査によると、1970年~1999年の間で小児肥満の子どもは2~3倍に増え、思春期世代では1割以上が肥満状態にあると分かっています。子どもの時点で発病していなくても、生活習慣を改善しないまま20代以降に突入すると、発病・重症化のリスクが格段に上がります。
小児期メタボリックシンドロームの診断基準
「ウエストの周囲径が、中学生は80㎝以上、小学生は75㎝以上、あるいはウエスト周囲径÷身長=0.5以上」「中性脂肪が120mg/dl以上、または、HDLコレステロールが40㎎/dl未満」「収縮期血圧が125mmHg以上、または、拡張期血圧が70mmHg以上」「空腹時の血糖が100mg/dl以上」
上記の項目のうち、ウエストの周囲径の基準を満たした上で、その他の条件を2つ以上含む場合に、小児期メタボリックシンドロームと診断されます。なお、対象は6歳~15歳です。
危険度チェックリスト
肥満体質は3歳までに決まるといわれています。食事習慣や食事内容が不規則・不摂生だと、小さい内から肥満体質になってしまいます。以下に、生活習慣病の危険度チェックリストを紹介します。下記の項目に多く当てはまる場合は注意が必要です。
「甘い飲料を飲む機会が多い」「夕食・就寝時間が遅い」「朝食を抜く」「ファストフードやスナック菓子を食べる機会が多い」「早食い」「運動をする機会が少ない」「受験などのストレスがある」「両親のどちらか、あるいは両方が肥満体型」